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訪問看護のオンコールでストレスを感じる場面と対処法を解説!

訪問看護のオンコールってストレスが多いと聞きます。
私にもできるのか不安です。

訪問看護に初めて就職する看護師さんから、上記のようなお話を伺うことがあります。

訪問看護では、24時間365日緊急時対応を行う体制を持つ事業所がほとんどです。

いつでも出動できるよう待機していることを、オンコールと呼びます。

訪問看護では、営業終了後や休日に当番制でオンコールを行う場合や、管理者が全てになう場合もあり事業所によって方法は様々です。

勤務時間ではないため緊急の対応時間は自由に過ごすことができるオンコールですが、いつでも対応できる体制を作っておかなければならず拘束感があるのは確かです。

今回は、訪問看護のオンコールによるストレスを感じる場面とその対処法について詳しく解説します。

これから訪問看護の仕事に就く看護師さんや、オンコール業務にストレスを感じている看護師さんはぜひ参考にしてください。

 

訪問看護のオンコールとは?


令和5年7月24日厚生労働省社会保障審議会 介護給付費分科会(第220回)資料3「訪問看護」より引用

 

訪問看護では、24時間365日緊急時対応を行う事業所が多くあります。

令和5年7月24日に発表された厚生労働省の調査資料によると、全国の訪問看護の8割以上が24時間対応体制を持っているとの結果があります。

病気を抱えながら在宅療養をする利用者さんにとって、24時間いつでも相談ができる訪問看護の制度はとても安心できるサービスと言えます。

また、訪問看護師が緊急受診の必要性を判断したり、居宅でできる対処を行うことで緊急性の低いまたは不適正な傷病者の救急搬送を減らすことにも繋がります。

そのため、利用者さんが安心して療養できるだけでなく、地域社会の必要な資源を適正に活用していくことにも貢献できます。

このように、訪問看護のオンコールは利用者さんや地域にとって有益なものではありますが、オンコールを担う訪問看護師にとっては心身の負担が生じるものです。

では、実際に訪問看護のオンコールでストレスを感じる場面とはどのようなものがあるでしょうか。

 

訪問看護のオンコールでストレスを感じる場面とは?

訪問看護のオンコールでストレスを感じる場面は、以下の3点が代表的です。

  • 利用者さんの急変に対応しなければならない不安感
  • いつでも電話に出られる環境にいなければならない拘束感
  • 夜間待機後も通常勤務を行う疲労感

具体的にどのようなストレスがあるのか解説していきます。

 

利用者さんの急変に対応しなければならない不安感

オンコールでは、24時間対応体制加算または緊急時訪問看護加算を算定している利用者さんを対象に24時間365日いつでも対応できるよう待機する仕事です。

緊急での連絡があった際には、利用者さんの状態変化に対し迅速かつ的確に対応する必要があります。

利用者さんの病状を把握するために事前に情報収集を行いますが、予想外の急変はいつでも起こるものです。

訪問看護での緊急時の対応に慣れるまでは、このような急変に対する不安感からストレスを感じる看護師さんは多くいると思います。

 

いつでも電話に出られる環境にいなければならない拘束感

訪問看護のオンコールでは、利用者さんや主治医からの要請により緊急対応を求められます。

オンコールの待機中はいつでも電話に出られる環境にいなければなりません。

そのため、常に電話を持ち歩く必要があり、行動範囲も緊急出動できる環境内に限られます。

このようにオンコール業務を行う際には拘束感を感じることもあり、ストレスの原因になると言えます。

 

夜間待機後も通常勤務を行う疲労感

事業所によっては、夜間や休日のオンコール当番の際に緊急出動があっても翌営業日は通常勤務を行うこともあります。

深夜や早朝に緊急出動があった場合には、翌営業日には代休を取ることができる事業所もありますが全ての事業所で行われる対処ではありません。

このような勤務が続いてしまうと疲労が抜けずストレスは増大することが予測されます。

 

オンコールで感じるストレスを軽減する対処法とは?

前項で解説したとおり、オンコールにより生じるストレスは深刻なものです。

なるべくストレスを溜め込みすぎずに、解消していく必要があります。

オンコールで感じるストレスを軽減するためには、以下のような対処法があります。

  • 先輩看護師の緊急時対応の方法を取り入れる
  • 家や近隣でできる気分転換方法を見つけておく
  • 普段から規則正しい生活をして健康状態を維持する

具体的な対処法を見ていきましょう。

 

先輩看護師の緊急時対応の方法を取り入れる

緊急対応を行う際の不安感は、「どうしたらいいかわからない」ことから生じます。

そのため、先輩看護師が行ったオンコールでの緊急時対応の方法を自分の引き出しにストックしていくことが大切です。

オンコールでよくある緊急連絡は、転倒や発熱、医療機器のトラブルが挙げられます。

そのような状況に至った時に、先輩看護師がどのような行動を取っていたか詳細を確認しておくことで、いざ自分がその場面に当たった時に対処することができます。

緊急の連絡を受け、利用者さん宅に到着してから行った観察や看護、医療機関への報告、指示の確認方法など一連の流れを確認しておきます。

日頃から想定できるトラブルについては、シミュレーションをしておくと良いでしょう。

最初は緊張してしまうと思いますが、頭の中の事前準備ができていれば緊急時でも慌てずに対応することができます。

また、緊急時の対応に不安を感じる時には管理者や先輩看護師に相談することができる環境を整えておくことも大切です。

オンコールを担当する際には必ず相談先を確認しておきましょう。

 

家や近隣でできる気分転換方法を見つけておく

オンコール待機の際の拘束感は、どうしても生じてしまうものと言えます。

しかし、ずっと電話の前で座って待機していても、日頃のケアが十分行われている場合には電話が鳴らないことの方が多いです。

オンコール待機の日でも、家や近隣でできる気分転換方法を見つけておくとストレスの軽減につながります。

例えば私は、オンコール待機をする週末にはゆったりと音楽を聴いて読書をしたり、撮り溜めたバラエティ番組を観て過ごします。

天気の良い日には近所を散歩したり、買い物に行ったりします。

平日の夜間にオンコール待機をする場合には、なるべく早く就寝するようにしてしっかりと休息をとる日に当てます。

常に緊急出動する訳ではありませんので、自分の時間は自由に過ごします。

 

普段から規則正しい生活をして健康状態を維持する

夜間に緊急出動があると、翌日の勤務は寝不足や疲労感で集中できなくなる可能性もあります。

人員が充足されている事業所では、スケジュールの調整や代行訪問により出勤時間を短くすることや代休を取ることも可能です。

しかし、人員が不足している事業所では調整が難しいこともあります。

初めて訪問看護の仕事に就職を考える際には、事業所のオンコールの体制を確認しておくことが大切です。

また、人員が充足されていても繁忙期には調整が難しいこともあります。

普段から規則正しい生活をし、急な出動があっても健康を害さないよう日常生活から整えるようにしています。

ただし、オンコールを長く続けるためには無理は禁物です。

体力的に厳しい、精神的に疲弊してしまうという時には無理をせず待機日数を減らしてもらうなどの対処を管理者に相談してみましょう。

訪問看護のオンコールで感じる心身のストレスに対しては、しっかりと休息をとることが重要です。

訪問看護の仕事がつらくなってしまう前に、ぜひ声をあげてみてくださいね。

 

終わりに

 

今回は、訪問看護のオンコールでストレスを感じる場面と対処法について解説しました。

訪問看護のオンコールは、緊張する仕事です。

特にオンコールの流れに慣れるまでは、その緊張感が抜けきらず疲れてしまうこともあると思います。

ストレスを抱え込まず、オンコール待機以外の日は意識的に気分を切り替えリフレッシュしてください。

また、自身がオンコールについてストレスを感じる点は何かを明確にすることも解決への第一歩であると言えます。

オンコールは大変な仕事ですが、利用者さんが安心して療養するためにとても大切な仕事でもあります。

訪問看護で利用者さんの療養生活を支えるオンコールという仕事を、無理なく長く続けていただけると嬉しいです。

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