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訪問看護は退院日の訪問が重要!退院日訪問のポイント3つを解説します

退院日の訪問看護を行う際に意識したいポイントはありますか?

入院して治療を行い、いよいよ自宅退院するその当日、利用者さんや家族は喜びと共に在宅療養に対する不安を感じることがよくあります。

そのような時に頼りになるのは訪問看護師の存在です。

今回は、訪問看護が退院日の支援を行う際に重要なポイントを3つ解説します。

訪問看護に未経験で就職した新人訪問看護師さんや、これから訪問看護師になりたいと考えている看護師さんはぜひ参考にしてください。

 

 

訪問看護は退院日にも利用できる

 

訪問看護の支援は、医療機関からの退院日にも利用することができます。

実際に退院日の訪問看護を提供したことのある訪問看護事業所は全体の半数以上であり、退院日の訪問看護のニーズの高さが伺えます。

中央社会保険医療協議会総会(第573回)「在宅(その6)」より引用

 

令和6年1月22日の介護報酬改定における資料では以下のように退院日の訪問看護の提供について新たな加算が定められました。

 



厚生労働省社会保障審議会介護給付費分科会(第239回)「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」より引用

このように、退院日の訪問看護は国からも推進されており、今後もますます需要が高まることが考えられます。

では、退院日の訪問看護ではどのようなポイントに留意して支援を行っているのでしょうか。

 

訪問看護の退院日訪問における3つのポイントとは?

訪問看護の退院日訪問におけるポイントは以下の3点が挙げられます。

 

  • 退院後の心身の状態を情報収集する
  • 在宅での療養環境を確認する
  • 緊急時の対応方法を確認する

 

では、各ポイントを詳しく解説していきます。

 

退院後の心身の状態を情報収集する

退院日の訪問看護が必要とされる利用者さんは、心身の状態に医療的な側面で支援が必要であることが多いです。

医療機関等からの移動で一時的な活動量が増え身体症状の変化が生じる場合もあるため、バイタルサインの観察やフィジカルアセスメントを行います。

また、入院前には使用していなかった医療機器を使用して生活する方や、入院前と比較して介護量が増えている方も多くいます。

まずは安全に医療機器が使用できる状態であるか確認し、必要な場合は療養環境に合った工夫の提案や指導を行います。

在宅酸素療法や持続点滴、人工呼吸器での呼吸管理を行う利用者さんの場合には、退院時の指示通りに開始または継続されているか確認します。

定時での服薬が必要な利用者さんの場合には、退院時処方を確実に服用できるよう利用者さんや家族とともに確認しましょう。

訪問看護師は、退院日に初めて利用者さんや家族と顔を合わせることも少なくありません。

そのため、退院日初回訪問では情報量が多く全てを把握するには時間が足りないこともあります。

まずは利用者さんや家族が、次回の訪問看護までの期間を安全に過ごせるよう生命維持に必要な情報から優先して確認していくことをお勧めします。

 

在宅での療養環境を確認する

退院してすぐに生じやすいトラブルの一つに、転倒が挙げられます。

住み慣れた自宅に戻った利用者さんは、入院前と同じように動くことができる場合もありますがそうではないことも多々あります。

歩行状態が十分に回復していなかったり、入院前にはなかった医療機器とともに生活する必要があったりと状況が異なることがあるのです。

退院日の訪問看護では、利用者さんの身体状況に加えて療養環境にも注目して確認します。

移動の動線に転倒につながる危険性がないか、内服薬の影響により転倒しやすい可能性のある時間帯がないかなどアセスメントし、安全に過ごす工夫や注意点を利用者さんや家族にお伝えします。

合わせて退院後に関わるサービス関係者にも共有し、他職種連携を図ります。

また、膀胱留置カテーテルや点滴、ドレーンなど事故抜去を起こす可能性のある医療機器を使用している場合には、安全な取り扱いについても確認しておきます。

基本的な取り扱いについては退院時に指導を受けてきていることが多いですが、療養環境に合った取り扱いは訪問看護師が継続して指導を行います。

訪問看護師が退室した後からは利、用者さんや家族がメインとなり医療機器を生活の一部として取り扱う必要があります。

そのため、生活パターンに合った管理方法を提案し、次回の訪問看護まで安全に過ごすことができるよう支援していきます。

 

緊急時の対応方法を確認する

緊急時の対応は、退院日から十分に備えていく必要があります。

在宅での療養上起こりうるトラブルを想定し、連絡方法や緊急コールの基準を利用者さんや家族に説明します。

利用者さんが急に体調不良や転倒をすると、家族は慌ててしまい訪問看護への連絡先をどこにしまい込んだかわからなくなってしまったり、電話番号を間違えてかけてしまうことがあります。

そのため、緊急連絡先をわかりやすいところに掲示したり、事前に携帯電話に緊急連絡先を登録していただくことをお勧めします。

また、訪問看護師は利用者さんの緊急時に相談する医療機関を確認しておきます。

入院病床のある医療機関であっても、救急対応はしていないことや夜間の対応窓口が救急外来となる場合もあります。

緊急時の連絡方法は訪問看護指示書にも記載がありますが、医療機関ごとに対応が異なるため確認はしておくと良いです。

 

まとめ

今回は、訪問看護が退院日の支援を行う際に重要なポイントを3つ解説しました。

退院日の訪問看護で重要なポイントは以下の通りです。

 

  • 退院後の心身の状態を情報収集する
  • 在宅での療養環境を確認する
  • 緊急時の対応方法を確認する

 

近年、超高齢化や感染症の流行により入院期間はますます短縮されています。

医療機器を使用して在宅へ戻られる利用者さんも多く、退院時指導を受けてもいざ自宅で管理するとなると心配なことがたくさん出てくる場合もあります。

特に退院してきた日の夜が、利用者さんや家族にとって一番不安な一晩だと思いますので、少しでも不安を軽減できるよう支援しましょう。

当社では、退院日から利用者さんの療養を丁寧に支援させていただきます。

また、利用者さんの退院後の生活を支えたいと考えている看護師さんや療法士さんは、ぜひ見学にいらしてください。

皆様からのお問い合わせを、心よりお待ちしています。