訪問看護と病院での看護は、全然違うように思います。
具体的にはどのようなところが異なりますか?
共通点はありますか?
訪問看護を経験したことのない看護師さんの場合、上記のような疑問があるようです。
確かに病院での看護と訪問看護では、仕事の大きな流れや働く環境が異なることが多いです。
しかし、共通点もあるため、病院で働いた経験は訪問看護で十分に活かすことができます。
今回は、訪問看護と病院での看護の違いについて詳しく解説していきます。
病院に勤務していて訪問看護への転職を検討している方は、ぜひ参考にしていただきたい内容です!
訪問看護と病院での看護の違いとは?
訪問看護と病院での看護の違いとは大きく分けると以下のようなものが挙げられます。
- 訪問看護と病院では働く環境が大きく違う
- 関わる人が他院、他社であることが多い
- 夜勤ではなくオンコールがある
上記については、なんとなくイメージはある方も多いと思いますが、具体的には想像がつかない方もいるのではないでしょうか。
では、訪問看護の実際を踏まえ具体的な内容を解説します。
訪問看護と病院では働く環境が大きく違う
利用者さんは暮らす環境が様々である
病院では、通院または入院している患者さんに対し看護を行っています。
訪問看護では、自宅で療養する利用者さんに対し看護師等が出向き看護を提供します。
病院は安全性に優れた環境で、入院する患者さんも院内のルールに沿って過ごします。
一方在宅では、利用者さんの自宅環境は個人によって大きく異なり、狭い家や広い家、古い家や新しい家などさまざまです。
一人暮らしの人もいれば、家族と同居していたり家族にも抱えている病気や障害があることも珍しくありません。
患者さんの生活も自己管理をメインとして、家庭環境や生活スタイルに合わせ利用者さんが継続可能な方法で治療を行います。
また、要介護の利用者さんの場合には、家族による介護が必要となることも多くあります。
このように、訪問看護と病院では看護を提供する環境が大きく異なります。
訪問看護では、より個別性の高い看護を計画していく必要がありますので、利用者さんの状況を把握するため十分な観察力と聞き取りを行います。
医療処置を行う際には一連の流れに工夫を凝らす
医療処置を実施する際にも、様々な工夫をしています。
例えば、点滴による治療を行う必要がある利用者さんの場合には、「点滴バッグをハンガーに掛けて鴨居に吊るす」というような利用者さん宅の環境を使って実施することがあります。
また、その利用者さんが日中は独居で見守る家族が不在である場合には、点滴ルートを事故抜去予防のため衣類の中に通して気にならないよう配慮することもあります。
途中で看護師が確認で訪問をする必要があるかもしれませんし、訪問介護などの訪問する予定の他事業所に異常時の連絡を依頼することもあります。
病院では、頻回に見守りができたりすぐに病室に駆けつけることができますが、訪問看護では1度退室したら次の訪問まで頻回に観に行くことは難しいです。
そのため、在宅では一人一人の環境や状況に合った安全・安楽な方法を綿密に計画していくことが重要です。
関わる人が他院、他社であることが多い
訪問看護と病院とで異なる点は、関わっている医療機関や関係者が自社ではなく他社であることが多い点です。
病院の場合には、同じ院内で働く医師や看護師、そのほかのコメディカルがひとりの患者さんにチームとして関わっています。
在宅でもひとりの利用者さんに医師やケアマネジャー、看護師、セラピスト、介護士など多くの関係者が関わります。
しかし、多くはそれぞれ異なる医療機関や事業所に所属しています。
そのため、積極的に連携を図らなければ、情報共有できず統一した方針の医療やケアを提供することができません。
訪問看護では、電話や電子機器などを使用して他職種との連携を図ります。
他職種間で円滑なコミュニケーションを図ることができると、利用者さんへの統一したケアやサービスを提供することが可能です。
夜勤ではなくオンコールがある
病棟の勤務では、2交代や3交代制で夜勤があります。
訪問看護では、夜勤はありませんがオンコールという業務があります。
在宅で療養する利用者さんにとって、夜間や休日に体調に変化があった際に相談できるオンコールというシステムはとても心強いものです。
事業所によりオンコールの待機方法は異なるため、訪問看護に就職を検討している場合にはオンコールをどのように対応しているのか情報収集しておくと良いでしょう。
当社でのオンコール対応は、利用者さんを担当するスタッフが各自行います。
詳細は以下の記事にも記載しておりますので、参考にしてください。
訪問看護と病院での看護の共通点は?
ここまで、訪問看護と病院での看護の違いを解説してきました。
環境や連携方法、オンコールのようなシステムの違いはありますが、実際利用者さんに提供する看護技術は病院でも訪問看護でも同じです。
働く場所が違っても、安全で安楽な看護を提供することは大前提としてあります。
在宅医療が充実してきた現代の訪問看護では、医療的な処置は訪問看護でも幅広く行われています。
訪問看護師として働いてみると、病院での看護で培った知識や技術を存分に発揮できるということに気づきます。
病院から訪問看護に転職を考えている看護師さんは、ぜひ当社までご相談ください。
あなたの経験を最大限に活かし、あなたに合った働き方をご提案させていただきます!