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訪問看護で行う医療処置とは?訪看で行う医療処置は幅広い!

訪問看護ではどのような医療処置を行っていますか?

 

訪問看護で働いたことのない看護師さんは、訪問看護で行われる医療処置がどのようなものかご存知ない方も多いのではないでしょうか。

私も訪問看護で実際に働く前には、訪問看護で行われる医療処置について具体的なイメージができず訪問看護師として働くことができるのか不安に感じたことがありました。

今回は、訪問看護で行われている医療処置について具体的に解説します。

これから訪問看護への就職を考えている看護師さんは、ぜひ参考にしてください。

 

訪問看護で行う医療処置とは?

訪問看護で行う医療処置は、以下のようなものがあります。

  • 気管内を含む吸引
  • 在宅酸素療法の指導・援助
  • 膀胱留置カテーテルの交換・管理
  • ドレーンチューブの管理
  • 褥瘡の予防、処置
  • 創傷部の処置
  • 中心静脈栄養法の実施・管理
  • 経鼻経管栄養法及び胃瘻による経管栄養法の実施・管理
  • 人工肛門・人工膀胱の管理
  • 自己導尿の指導・管理
  • 気管カニューレの交換・管理
  • 人工呼吸器の管理
  • がん化学療法の管理
  • 薬物を用いた疼痛管理
  • ターミナルケア
  • 注射、点滴の実施・管理
  • 服薬管理・点眼等の実施
  • 浣腸・摘便
  • 在宅透析の指導・援助
  • 採血等の検体採取
  • 吸入

 

上表は、令和2年に厚生労働省により示された訪問看護の医療処置にかかる介護度別看護内容です。

介護度が高くなると、医療処置も増えていることがわかります。

また、介護度が低い場合にも服薬管理を行う割合は高く、在宅での服薬による体調管理は重要であると言えます。

調査している平成28年の後、感染症の流行により医療処置が必要な状況で在宅療養を行う利用者さんは増えています。

そのため、上表よりもさらに医療処置の割合は上がっていることも推察されます。

このように、訪問看護師は幅広い医療処置をオールマイティに行うことができるスキルが必要とされていると言えます。

 

訪問看護で身につけておきたい医療処置におけるスキルは?

訪問看護で身につけておきたい医療処置におけるスキルは、以下の通りです。

  • 浣腸・摘便
  • 注射、点滴の実施・管理
  • 人工肛門・人工膀胱の管理
  • 気管内を含む吸引
  • 在宅酸素療法の指導・援助

では、具体的にどのような支援を行う必要があるのか併せて解説していきます。

 

1.浣腸・摘便

在宅療養を行う利用者さんは、排便コントロールがつかず悩まれることがよくあります。

在宅では家族介護がメインの家庭や、独居で生活しており定期的な訪問介護の時間に合わせてオムツ交換を行っている利用者さんもいます。

そのため、緩下剤により便性状を緩くしすぎてしまうと、夜中に排泄をもよおしてしまい転倒に繋がることや家族介護負担の増大につながることもあります。

また、長時間にわたって便による皮膚への刺激が加わってしまうことも考えられます。

そのため、訪問看護師による先々を見越した排泄支援は在宅療養を続ける上で重要な介入であると言えます。

浣腸や摘便での排泄を試みる時には、一般的な留意点に加え訪問看護師が退室した後に腹部症状が続かないようしっかりと排泄できるような介入が必要です。

浣腸や摘便を実施するだけでなく排泄のための環境設定、ポジショニング、腹部マッサージの実施など利用者さん一人一人に合った排泄ケアを提供しています。

 

2.注射、点滴の実施・管理

在宅での注射、点滴は訪問看護でもよくある医療処置です。

点滴の実施時には病院や施設とは異なり、看護師がいつでも確認できるわけではないことが特徴の一つと言えます。

訪問看護で行う点滴の実際については下記の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

3.人工肛門・人工膀胱の管理

人工肛門や人工膀胱を造設して在宅療養を行う利用者さんは多く、訪問看護師による管理を行う機会もよくあります。

ストマパウチの交換は自立して実施できる利用者さんや、体調悪化により家族が初めてパウチ交換を行うという利用者さんまで様々です。

ストマの増設位置や体型、使用している物品など個別性が高く、病状や療養環境に応じた皮膚トラブルも発生するため管理を行う訪問看護師も対応方法のバリエーションの幅を広く持っておく必要があります。

入院中は栄養管理をされた食事を摂取していた方も、自宅に戻ると食事内容にばらつきが出てくることがよくあります。

ストマ自体の観察はもちろんのこと、食事や排泄状況、服薬状況など周辺の情報収集も行い看護を提供します。

 

4.気管内を含む吸引

在宅療養を行う利用者さんの中には、吸引処置が必要となる方もいます。

病院や施設と異なり、看護師が常に同じフロアにいる環境での療養ではないため、定期的な吸引を家族や介護士さんが行うこともあります。

吸引の実施だけでなく、正しい知識で介護者に指導を行うスキルも要します。

吸引カテーテルの保管方法は利用者さんによって様々であり、指導方法も臨機応変に行うことになります。

また、効果的な吸引を行うために肺ケアも同時に行っていく必要があり、呼吸リハビリや排痰ケアを計画に組み込めると良いでしょう。

 

5.在宅酸素療法の指導・援助

在宅酸素療法を行っている利用者さんも、訪問看護を利用する方が少なくありません。

酸素投与時の注意点を把握し、日常生活で危険が生じないよう支援します。

また、在宅酸素療法を適切な流量で使用できるよう主治医と連携を図ります。

在宅療養を行う利用者さんは、通院や外出の機会もあり自宅外でのポータブル酸素の使用についても指導していく必要があります。

安全に治療が継続できるよう、様々なシーンを想定して介入していくことが重要です。

 

終わりに

 

今回は、訪問看護で行う医療処置について詳しく解説しました。

訪問看護の利用者さんは、状態に合った医療処置や医療機器と共に生活をしています。

そのような状況に、不安を抱えることも多いです。

訪問看護師は、医療処置が必要な利用者さんの不安に寄り添い、より安心して生活ができるための重要な役割を担います。

今後の在宅医療では、ますます高度な医療処置を行うことができるスキルが求められることが予測されます。

私たち訪問看護師は、利用者さんの安心と安全を守るため学びを止めず知識と技術を磨いていくことが大切です。

日本看護サービスでは、地域の医療機関や主治医とともに利用者さんに適切な医療をお届けできるよう尽力しています。

訪問看護の仕事に興味のある看護師さんは、ぜひ私たちの働き方や医療処置の実践を見学に来てください。

あなたからのお問い合わせを、心からお待ちしております!