訪問看護を初めてご利用いただく利用者さんから、このようなご質問をいただくことがあります。
訪問看護には、24時間365日いつでも相談することができ、必要時には緊急で訪問するサービスがあります。
医療保険で利用する場合には「24時間対応体制加算」、介護保険で利用する場合には「緊急時訪問看護加算」という名称の加算(基本料金とは別途料金がかかるオプションのようなもの)を算定することで緊急時のサービスを受けることができます。
では、訪問看護の緊急時加算はどんな場合に活用することができるのでしょうか。
この記事では、訪問看護の緊急時加算の活用方法について詳しく解説します。
訪問看護を利用してみたいとお考えの方や、緊急時加算をどんな時に使用していいのかお悩みの方はぜひ参考にしてください。
訪問看護の緊急時加算とは?
訪問看護は、病院の窓口で提示する医療保険、つまり各種健康保険で利用する場合と介護保険で利用する場合があります。
どちらの保険を利用するかは自分で決めることはできず、年齢や疾患、主治医から交付される訪問看護指示書の種類によって決められます。
初めて訪問看護を利用する場合には、地域の訪問看護事業所や担当のケアマネジャー、または医療相談員などにご相談いただければどちらの保険が該当するのかお答えすることができます。
医療保険では「24時間対応体制加算」、介護保険では「緊急時訪問看護加算」という名称ですがどちらも緊急時に利用者さんやご家族、主治医の求めに応じて対応するサービスです。
緊急時加算が算定できる訪問看護事業所は、一定の条件を満たした上で都道府県に届出をしている必要があります。
緊急時の対応を必要とする場合には、届出を行っている事業所であるのか事前に確認しておくと良いでしょう。
訪問看護の緊急時加算の利用料金は?
医療保険における「24時間対応体制加算」の利用料金は、6.400円/月です。
介護保険における「緊急時訪問看護加算」の利用料金は、574単位/月です。
このうち、利用者さんの自己負担割合に応じて1割から3割の自己負担があります。
緊急時加算は、利用者さんの任意により算定できる加算で、1ヶ月に1回算定されます。
緊急時の電話相談は無料となっておりますが、緊急訪問については介護保険のルールに基づき利用料金が発生します。
各保険における緊急対応が発生した場合の具体的な利用料金については、当社までお問い合わせください。
緊急時を想定した概算をご説明いたします。
訪問看護の緊急時加算はどんな場合に活用できる?
では、訪問看護の緊急時加算はどのような場合に活用できるのでしょうか。
以下のような場合に、緊急時加算を活用いただくことがあります。
- 体調がいつもと違うと感じる時
- 介護や処置に不安を感じた時
- 転倒や転落をしてしまった時
- 医療機器のトラブルがあった時
- 薬の使用方法に迷った時
次項より、実際の緊急対応で多くみられる例を挙げて解説します。
体調がいつもと違うと感じる時
訪問看護を利用する方は、さまざまな疾患を抱えています。
疾患により症状の出現は異なり、利用者さんも不安に感じることもあると思います。
例えば、どこか痛みを感じる場合や息苦しさ、嘔気嘔吐、排泄物の変化、浮腫の出現など明らかな症状がある場合だけでなく「いつもと体調が違う気がする。」と感じる時には、訪問看護師にご連絡をいただいています。
看護師が状態観察を行い、主治医と連携して薬剤の使用や看護ケアを行い症状に対応します。
緊急受診が必要な時には、救急要請をして救急隊や医療機関への情報提供を行います。
症状に対して早期に対応することで、入院には至らずに自宅での療養を継続することができます。
介護や処置に不安を感じた時
在宅療養では、介護や医療処置をご家族が担う場合もあります。
「こんな時にはどうすればいいのだろう。」
「以前教えてもらった方法は、これでよかっただろうか。」
このように利用者さんだけでなく介護にあたるご家族も不安に感じることがあると思います。
そんな時には訪問看護へ24時間いつでも相談することができます。
電話相談は無料ですので、困った時の相談窓口としてご活用いただけます。
また、必要時には看護師が何時でも駆けつけます。
初めての介護は不安や困りごとがつきものですが、ご家族だけで抱えてしまわずに訪問看護師とともに在宅療養を支えていきましょう。
転倒や転落をしてしまった時
入院時や入所時と比較して、在宅療養をする利用者さんは活動範囲が広くなります。
そのため自宅内での転倒や、ベッドからの転落はよくあるトラブルでもあります。
転倒や転落をしてしまった際に、利用者さん一人では起き上がることができなかったり、ご家族だけではベッドに戻すことができない場合があります。
そのような場合には、訪問看護師が手助けをしますので遠慮なくご連絡をください。
また、転倒転落により怪我をしてしまうことも珍しくありません。
利用者さんの状態によって怪我の処置を行います。
また、骨折や脳血管疾患、呼吸器疾患を引き起こす場合もあります。
そのような場合には早期に医療機関にお繋ぎできるよう訪問看護師が対応いたします。
医療機器のトラブルがあった時
在宅療養を行う利用者さんの中には、膀胱留置カテーテルや在宅酸素療法、人工肛門、人工膀胱、人工呼吸器など医療機器とともに生活される方もいます。
病院では、医療機器の管理は基本的に看護師が行います。
しかし、在宅では基本的に利用者さんまたはご家族がメインとなって使用することが多く、そのサポートとして訪問看護が機器管理やトラブルの対応を行います。
24時間いつでもトラブルの対応をしてもらえるのは、医療機器を使用して過ごす方にとって安心できるものと思います。
明らかなトラブルに至らなくても、普段と違う様子がある場合にはすぐにご連絡をいただけると訪問看護としても助かります。
薬の使用方法に迷った時
在宅での療養生活でも病院や施設と同じように、疾患による症状のコントロールを経口薬や坐薬、貼付薬、点滴注射などで行います。
疾患や病状によっては医療用麻薬を使用することもあるため、説明を受けていても利用者さんやご家族での判断や取り扱いに迷うこともあります。
そのような場合には、訪問看護師に相談していただくと適切に使用することができるため利用者さんの苦痛を最小限に抑えることが可能です。
症状のコントロールが図れると、在宅生活を安心して継続していただけると思います。
訪問看護は24時間365日あなたの味方です!
今回は、訪問看護の緊急時加算の活用方法について解説しました。
この記事で解説したように、訪問看護は24時間365日利用者さんとそのご家族の強い味方になるサービスです。
病気や障害があっても、医療機器が必要であっても、自分らしく家での生活を続けるために訪問看護は24時間で対応いたします。
当社は24時間365日緊急時対応を行う届出をしている訪問看護事業所です。
緊急時加算を必要としている利用者さんの場合には、ぜひご相談ください。