このようにお悩みの訪問看護師さんのお話を聞くことがあります。
訪問看護は、主に看護師一人で利用者さんの居宅に訪問し看護を提供する仕事です。
そのため、不安になることや自信をなくしてしまうこともありますよね。
今回は、「訪問看護は合わなかった」と感じる要因や、訪問看護での仕事を諦める前に試していただきたい解決策について解説します。
訪問看護の仕事を辞めたいと考えている看護師さんは、ぜひ参考にしていただければと思います。
訪問看護は合わなかった…そう思う要因とは?
訪問看護の仕事に初めて就く看護師さんは、「私には訪問看護の仕事が向いていない、合っていない」と一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
私も同じように感じたことがあり、当時はとても辛かったと振り返ります。
「訪問看護は自分には合っていない」と感じる要因としては、以下のものが多く聞くことがあります。
- 思っていた働き方と違った
- 業務量の多さに疲弊してしまった
- 人間関係に疲れてしまった
- 知識や経験が足りないと感じ自信をなくしてしまった
以下より一つずつ解説していきます。
思っていた働き方と違った
訪問看護の仕事は「訪問中は利用者さんと1対1でじっくり向き合う」という点から、のんびりしているイメージを抱かれることが多いようです。
実際に働いてみると、思っていたイメージとは違ったという方が少なくありません。
利用者さんとじっくりと向き合うことができるのは、訪問看護のメリットと言えます。
しかし、のんびりしていることは少なく、利用者さんへのケアを時間内で行う必要があるため準備から実施、片付けまで計画的に組み立ていく必要があります。
思った以上に訪問看護は体力が必要な仕事なのです。
そのため、イメージしていたよりも身体的な疲労が蓄積され、「自分には訪問看護は合っていない!」と感じる方がいます。
人間関係に疲れてしまった
訪問看護ステーションに所属するスタッフは、事業所ごとにばらつきがあります。
最少人数の3人の看護師で運営する事業所もあれば、30人以上の看護師や療法士が所属する大規模な事業所もあります。
事業所により雰囲気も大きく異なり、自分が希望するものと異なる雰囲気の事業所で合った場合には精神的にも疲労が大きくなります。
また、病院や施設とは違い地域の医療機関の医師や他事業所のケアマネジャーさんと関わることも多く、慣れるまでは緊張してしまうこともあります。
このように人間関係に疲れてしまうことで、「自分は訪問看護には合っていない…」と考えてしまう方もいるようです。
知識や経験が足りないと感じ自信をなくしてしまった
一番多く聞かれる悩みとして、「知識や経験が足りないと感じた」という声を聞くことがありました。
訪問看護は専門領域を持たず、幅広い年齢や疾患を抱える利用者さんがサービスを受けています。
そのため、初めて出会う疾患や症状に対応することもよくあります。
また、利用者さんへの対応だけでなく、家族や利用者さんを取り巻く関係職種の方々とも円滑なコミュニケーションをとり連携を図る必要があります。
訪問看護が対応する業務の幅広さを目の当たりにすると、「訪問看護には合っていなかったのかも…」と自信をなくしてしまう方も少なくありません。
諦める前に試してほしい解決策とは?
「訪問看護は合わなかった…」と退職を考えていらっしゃる方もいるかもしれません。
しかし、実際は少しの工夫や対策で解決できる場合もあります。
訪問看護に入職を決めた際には、きっと訪問看護の仕事を通して利用者さんの生活をより良いものにしたいと考えていた方がほとんどだと思います。
ここからは、訪問看護の仕事を「合わなかった」と諦める前に試してほしい解決策を紹介します。
働き方を見直す
訪問看護の仕事に合わないのではなく、働き方が合っていない可能性があります。
自身にとって最適な働き方を、上司と相談することで仕事を続けられる方もたくさんいます。
訪問看護の魅力の一つは、自由度の高い働き方ができるという点です。
ぜひ一度、訪問看護という仕事自体が辛いと感じているのか、業務量の負担や働くペースがきついと感じているのか振り返ってみてください。
先輩看護師が実践している方法を真似する
訪問看護の仕事は、病院や施設での仕事の流れと異なり利用者さんの居宅へ出向いて決められた時間内に計画的な看護を行う必要があります。
慣れるまでは予定していた時間をオーバーしてしまったり、逆に処置を淡々と済ませた後に手持ち無沙汰に感じてしまうこともあるかもしれません。
そんな時は、先輩看護師が実践している訪問看護技術を真似してみることをお勧めします!
同行の際に、どのようにケアの準備や片付けを計画的に行っているか、利用者さんとどのような意図でコミュニケーションを図っているかといった視点で観察してみてください。
訪問時の時間の使い方は、利用者さんごとに異なりますのでテキストに一律で記載されることはありません。
実際の現場で、先輩看護師の関わり方から多くを学ぶことができます。
また、書類作成や他職種との連絡の多さも訪問看護の特徴と言えます。
これらの訪問以外の業務も慣れるまではとても煩雑に感じると思いますが、先輩看護師がどのように業務に対応しているのか聞いてみるのもいいですね。
研修会への参加で同じ立場の人と交流する
病院や施設では、同時期に入職する数名の同期がいることが多く、同じ立場の同期と話したり相談をしたりすることで精神的にも支えられることがあります。
しかし、訪問看護は事業所の規模が様々で同時期に複数人の入職がない場合もあります。
すると、同僚は先輩ばかりで同じ立場で悩みや気持ちを吐き出す機会も少なくなりがちです。
その結果、「自分には訪問看護は向いていない」と感じ退職を検討する方もいるのではないでしょうか。
このように新しい環境で初めての業務に就く看護師さんには、各所で行われる研修会に参加して同時期に訪問看護に就職した方との交流を図ってみることをお勧めします。
業務のことは先輩看護師に相談できても、日々の悩みはなかなか言えないこともあります。
そんな時に同じ立場の人と共感したり、共感されたりすることは気持ちの安寧にもつながります。
また、研修会への参加で知識や技術を獲得することもできます。
知識や技術を伸ばすことで、訪問看護を続ける自信にもつながります。
当社のように研修会費用を負担している事業所もありますので、ぜひ一度研修会に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
転職をして環境を変えてみる
これは最終手段でもありますが、訪問看護の仕事から退くのではなく、事業所を変えてみることも一つの方法ではあります。
訪問看護事業所は年々増加傾向であり、各事業所で特色が異なります。
もしかしたら、今悩んでいるあなたが勤める事業所の方針と、あなたが望む働き方が合っていないだけかもしれません。
「訪問看護は自分に合っていないのかもしれない」と思い悩む看護師さんは、繊細で周囲に気を遣うことができる方が多いように思います。
実はそのような傾向のある方は、利用者さんにとって丁寧でよく気が付く、とてもいい看護サービスを提供できる方でもあります。
訪問看護は、環境次第で働きやすさややりがいは大きく異なります。
現在の事業所で辛いと感じることが変えようのないことなのであれば、自身の居場所を変えることも視野に検討してみても良いと思います。
まとめ
今回は、「訪問看護は合わなかった」と感じる要因や、訪問看護での仕事を諦める前に試していただきたい解決策について解説しました。
訪問看護に合わないと感じた際には試していただきたい解決策は以下の通りです。
- 働き方を見直す
- 先輩看護師が実践している方法を真似する
- 研修会への参加で同じ立場の人と交流する
- 転職をして環境を変えてみる
当社では、看護師さんのライフスタイルに合った働き方を提案しています。
「訪問看護は合わなかった」とお悩みの看護師さんは、ぜひ一度当社までご相談ください。
あなたが輝ける訪問看護の働き方を、一緒に考えさせていただけたらと思います。