訪問看護の仕事に就き、1ヶ月から3ヶ月が経過すると上記のように不安を感じる看護師さんは少なくありません。
今回は、訪問看護で感じる不安についてパターン別に解決法をお伝えします。
未経験で訪問看護に入職した看護師さんや、これから訪問看護に挑戦してみたいと考えている看護師さんはぜひ参考にしてください。
また、未経験入職の看護師さんをサポートする立場である先輩看護師さんにも、解決方法として活用できる内容になっております。
訪問看護で感じやすい不安を早期に解決し、安心して訪問看護の仕事を楽しんでくださいね。
訪問看護で感じる不安とは?
入職当初は緊張感もあり、また新たな環境に慣れるため「頑張ろう!」とモチベーションを高くいられる方が多いです。
しかし、先輩訪問看護師の細やかな仕事ぶりを見て、同行訪問が終了し独り立ちする自分を想像すると「自分が同じようにやっていけるのか」と不安に感じてしまいます。
私自身も、訪問看護の仕事に携わった当初は新たな挑戦にワクワクしていましたが、少しすると同じような不安を感じたのを思い出します。
訪問看護に入職して1ヶ月から3ヶ月の看護師さんからは、以下の4つの不安をよく聞きます。
- 関わったことのない疾患や治療に対応できるか不安です
- 利用者さんや家族とのコミュニケーションが難しく不安です
- オンコール対応をうまくできるか不安です
- 自分の提供している看護が妥当か不安です
この記事をお読みいただいている訪問看護師さんの中にも、当てはまるものがあるのではないでしょうか。
訪問看護における不安に対するパターン別解決法をお伝えします!
では、訪問看護での仕事に不安を抱えた際には、どのように解決していけば良いのでしょうか。
実際に私が解決に向け取り組んだ内容をお伝えします。
関わったことのない疾患や治療に対する不安の解決法
訪問看護では、疾患や年齢の制限がなくこれまで出会ったことのない疾患や症例の利用者さんと関わることも少なくありません。
また、治療方針についても医療機関ごとに異なることがあり、訪問看護師として必要な知識や情報はとても多くなります。
しかし、これから出会う可能性のある疾患や治療について全てを網羅することは、どんなに経験を重ねた看護師であろうと難しいです。
大切なのは、利用者さんが抱える疾患や治療について不足する知識や情報は、労を惜しまずその都度調べることです。
これは「新人だから」、「経験値が低いから」という訳ではなく、どんなに経験を積んでも続けていくことでもあります。
また、事業所内で初めて関わる疾患や症例については、ステーション内カンファレンスなどで共有することでスタッフ全体の知識の底上げにもつながります。
関わったことのない疾患や治療に対する不安は、焦らずその都度調べて知識を身につけていくことで解決して行きましょう。
利用者さんや家族とのコミュニケーションに対する不安の解決法
訪問看護では、利用者さんや家族とコミュニケーションを図る際に緊張してしまったり、うまく説明ができずその後の関係性に影響が出てしまったという経験をされた方もいるかもしれません。
訪問看護は基本的に一人で利用者さんの居宅に伺うため、利用者さんや家族との円滑なコミュニケーションは重要なスキルです。
このようなコミュニケーションに対する不安を抱えている看護師さんは、ぜひ同行訪問の際に先輩看護師の話す姿に注目して見学をしてみてください。
同行訪問の際には利用者さんの身体状況やケアに注目しがちですが、実は先輩看護師の関わり方がとても参考になります。
言葉の選び方や声のトーン、非言語的コミュニケーションの方法を観察してみましょう。
利用者さんが安心するコミュニケーションスキルを身につけることで、利用者さんに伝わりやすい方法を習得することができます。
利用者さんにとって「話しやすい看護師さん」になることができれば、療養に必要な指導や希望する生活を叶えるための説明が受け入れてもらいやすくなります。
利用者さんや家族とのコミュニケーションに対する不安に対しては、先輩看護師からコミュニケーションスキルを学んでみましょう。
オンコール対応に対する不安の解決法
訪問看護の事業所の中には、24時間対応を行う事業所が多くあります。
オンコール対応を行う体制は事業所によって様々ですが、入職して1ヶ月から3ヶ月程度でオンコール当番を担うこともあり得ます。
通常の訪問時とは異なり、オンコールでは緊急性の高い状態の対応が求められます。
そのため、オンコール対応に対する不安を感じる方は多いと思います。
オンコール対応に対する不安の解消法は、事前の情報収集と対応方法のバリエーションを増やしていくことをお勧めします。
状態の変化が予測される利用者さんについては、訪問看護を交付している医療機関の夜間休日の対応方法を把握しておきます。
また、自分以外の看護師さんが対応した緊急時の内容は、訪問看護記録や対応した看護師さんから状況を聞いてみると参考になります。
実際にあった緊急訪問での対応を自分に置き換えてシミュレーションすることで、同じような内容での緊急訪問時には慌てずに行動することができます。
オンコールの実際については下記の記事も参考にしてみてください。
自分の提供する看護の妥当性に対する不安の解決法
訪問看護では、一人で訪問し利用者さんへの看護を提供します。
現場での情報収取をして、看護サービスの内容を検討し実施するため判断に迷い不安になってしまう看護師さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
自分の提供する看護の妥当性に不安を感じる場合には、一人で抱え込まず管理者や先輩看護師とともに看護の展開を考えましょう。
社用携帯を貸与している事業所も多いため、現場から管理者や先輩看護師に相談することができます。
また、カンファレンスを活発に行っている事業所も多く、それぞれ受け持つ利用者さんの看護計画を話し合い意見交換をすることでより良い看護計画を立案修正することができます。
「カンファレンスでこんなこと議題にしてもいいのかな?」「こんなことも知らないのって言われないかな?」となかなか意見を言い出しにくい看護師さんもいるかもしれません。
しかし、どの先輩看護師も訪問看護初心者の時期を超えて現在があります。
同じように悩んだ時期もあり、きっと共感して適切な助言をしてくださる方がたくさんいることと思います。
ぜひ声を上げて周囲に相談して、不安を解消してください。
まとめ
今回は、訪問看護で感じる不安について解決策をお伝えしました。
- 関わったことのない疾患や治療はその都度学習して積み上げる
- 利用者さんや家族とのコミュニケーションは先輩看護師をお手本に!
- オンコール対応は情報収集とシミュレーションが肝です
- 自分の提供する看護は声を上げて周囲に相談する
訪問看護は病院や施設などいろいろなところで働いてきた経歴がある看護師さんが集まっていることが多いです。
そのため、新しく入職した看護師さんがどこまで訪問看護に関する知識や技術を習得しているか見えにくいところもあります。
不安に感じることはぜひ声に出し、周りの仲間に共有してみてください。
当社では、新人訪問看護師さんや訪問セラピストさんの不安を少しでも減らせるよう入職してからの研修を充実させています。
訪問看護の仕事に興味のある看護師さんやセラピストさんは、ぜひ一度見学にお越しください。
あなたからのご連絡をお待ちしています。