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在宅看護とは?在宅看護=訪問看護ではない!

在宅看護ってなんだろう?

訪問看護に関わっていると、「在宅看護」という言葉を耳にすることがあります。

しかし、具体的にどのようなことを指すのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

在宅看護は訪問看護であると認識されている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は在宅看護と訪問看護は同じものではありません。

今回は、在宅看護とはどのようなことを言うのか解説して行きたいと思います。

「在宅看護」についてお知りになりたい看護師さんや、これから在宅医療に携わって働きたいと考えている看護師さんや療法士さんは、ぜひ参考にしてください。

 

在宅看護とは?

超高齢化社会である現代では、在宅看護という言葉を聞いたことのある方は多いと思います。

では、在宅看護とはどのように定義されているのでしょうか。

 

在宅看護の定義

在宅看護の目的に注目し、看護師が病院に勤務するか、訪問看護事業所に勤務するか、介護保健施設に所属するかは問わず、広く患者がその生活の場で必要としている医療・看護・介護を包括して提供していくことであり、その先には患者のQOLの向上があることを意識しながら看護実践を行うこと

引用:日本看護協会出版「家族看護を基盤とした在宅看護論」(監修:渡辺裕子 編集:上野まり,中村順子,本田彰子,炭谷靖子)

上記のように、「在宅看護」とは、提供する看護師在籍する場所に関わらず、在宅という生活の場で患者さんがQOLを維持・向上させるための支援と言えます。

つまり、利用者さんの居宅に伺い看護を提供する訪問看護は、在宅看護の一つの手段であり在宅看護=訪問看護という意味ではないと読み取ることができます。

上記に示した資料では、「在宅看護を、主に訪問看護師が行う活動と狭義に捉えるのではなく、全ての看護職が共有する概念として広く捉えることが重要」と述べています。

では、訪問看護に携わっている訪問看護師が在宅看護を提供する中で担う役割とはどのようなものがあるのでしょうか。

訪問看護師が在宅看護で担う役割

前項では、在宅看護の一部として訪問看護が位置付けられることを解説しました。

では、訪問看護師が在宅看護で担う役割としてはどのようなものが挙げられるでしょうか。

訪問看護師は在宅看護を行う際には以下の点を担うことができます。

  • 利用者さんの生活を医療的な側面から支える看護の実践
  • 利用者さんが必要とするケアの他職種連携
  • 医療機関とのシームレスな情報共有

では、一つずつ詳しく解説していきます。

利用者さんの生活を医療的な側面から支える看護の実践

訪問看護師は、利用者さんの療養生活を医療の専門職である視点でサービスを提供することができます。

訪問看護を利用する利用者さんに必ず共通する点として、主治医がいることと疾患や症状を抱えていることが挙げられます。

利用者さんがそれぞれの疾患や症状を緩和できるようコントロールを図り、日常生活をより安楽に過ごせるよう支援できるのが訪問看護師です。

訪問看護師は主治医と連携し、利用者さん一人ひとりの病状や療養環境に合った個別性の高い看護を提供する役割を担います。

 

利用者さんが必要とするケアの他職種連携

訪問看護師のもう一つの役割として、他職種連携が挙げられます。

主治医との連携は大前提として、そのほかにもケアマネジャーを通してデイサービスやショートステイなどの介護保険サービスとの連携を図ることも重要です。

また、障害を抱える利用者さんの場合には生活相談員やデイケアとの関わりも出てくることがあります。

訪問看護師は各職種の役割を理解し、適切に情報共有を行うことで利用者さんの快適な療養生活を支援することができます。

 

医療機関とのシームレスな情報共有

入院での治療を終え退院する際に、退院後の療養生活に不安を抱いている利用者さんやその家族は少なくありません、

訪問看護師は、そのような利用者さんが退院したその時から安心して療養できるように医療機関と連携を図る必要があります。

現代では面会規制が設けられている医療機関もあり利用者さんの入院中の状況は家族もあまり詳しくないことも多いです。

そのため、医療機関からの情報を十分に聴取し、退院直後から危機回避できるよう支援をしていきます。

また、在宅療養を行う利用者さんは、体調の悪化や急変により予定外受診や緊急受診を必要とする場合があります。

そんな時には、訪問看護師は医療機関とのシームレスな情報共有ができるよう努めます。

利用者さんを救急搬送する必要がある際には、救急救命士や医療機関への十分な申し送りを行います。

利用者さんが入院となる場合には、在宅での生活状況をまとめた訪問看護サマリーを迅速に作成して入院先で情報不足にならないよう支援します。

 

まとめ

今回は、在宅看護の定義と訪問看護師が在宅看護を行う際の役割について解説しました。

在宅看護とはどのようなものなのか、またその中で訪問看護師はどのように力を発揮していくのかイメージがついたでしょうか。

私たち訪問看護師は、利用者さんへの看護提供だけでなく、他職種をつなぐ架け橋の役割も担います。

他職種との連携を図る大前提として、利用者さんの希望や現状を十分に理解することが大切です。

1件1件の丁寧な訪問が、利用者さんのより良い明日につながります。

在宅看護という大きな括りの中で、自分自身がどのように尽力できるのか、ぜひ考えてみてくださいね。

日本看護サービスでは、価値のある在宅看護を提供できるよう管理者、スタッフともに質の向上に取り組んでいます。

ぜひ一度見学に来ていただき、当社にしかできない訪問看護を知っていただければと思います。

お問い合わせお待ちしております!